| 阿部保夫氏の講演会 「船窪オンツツジ群落」について 「船窪のオンツツジ群落」は。徳島県のほぼ中央部に位置し、高越山から奥野々山に通ずる嶺筋の船底形の窪地に当たる地域で約1200株のつつじ類が群生している。その中で90%がオンツツジであり、この様にオンツツジが自然の大群落を形成しているのは、他に類を見ない。ということで昭和60年文化財保護法第69条第1項の規定により、特別史跡名勝天然記念物指定基準天然記念物植物4(代表的原野植物群落)により、国指定天然記念物となった。 わたしが関わり始めたのは、平成2年公民館に勤務するようになってからで、当時船窪オンツツジ群落は木の柵が廻らされていて、壊れた柵から自由に出入りし、園内で宴会をする人もいたこともあり、保護柵を作ることが急務とされ、補助金申請のため書類提出にあたり調査することになったことが船窪オンツツジ群落との結びつきとなった。 船窪オンツツジ群落には樹齢百年といわれるツツジが群生し、昔(戦前)は今の3倍の10ヘクタールもの面積があったが、戦後国策に沿って、杉、桧を植林するため伐採したため現在の3ヘクタールとなった。昔は、船窪の下に奥野井群落があり18戸の家があり、この人達によってツツジが守られていたそうです。 わたしは、保護柵を作るとともに、群落の復元計画を立て、空き地にオンツツジの苗木を植えることを思い立ち、試行錯誤しながら種子を播いて苗木を育てることに着目し、当時学でバラ園を経営していた岩瀬さんの協力を得て、平成3年3月に初めて播種し温室で育てた。順調に発芽し50〜60pくらいに成育した苗木を、文化財を守る会、教育委員会、小、中学生、一般ボランティアの方々と山に移植したのが平成7年(1995)6月10日で約200本画期的な試みであった。爾来計画的に毎年植え続けおよそ700本位移植し、枯死したり、猪に掘り返されたりして生育しているのは400本位である。 現在は、20p位に生育したら、川田小学校の学校園で児童が世話をし50〜60pに成長した苗木を船窪に移植している。種を播いて成育するまでには5〜7年位の歳月を要する、根気のいる活動である。 最近著しい環境の変化で自然災害や野生動植物の被害が多くなってきた。平成10年3月の雪害による折木90本、町有林の杉、桧のおびただしい折木に驚く。続いて平成18年3月の雪害は目を覆いたくなるほどの大災害、500年を越すオンツツジの大木が300株以上の被害を受ける。市当局の温かいご配慮と多くの方々の御協力により、折れた木は切除し、防腐剤を塗って保護し倒れた木は起こす作業に100名以上の方々の真心こもったご奉仕があったことは、誠にありがたいことであり、歴史に残るできごとではなかろうか。 この作業は私達、「山川の文化財を守る会」の会員40余人が常時活動している。高齢化が進み平均年齢は70歳を超える。かなりハードな仕事もありますが、会員の笑顔に支えられ頑張っています。 閉じる |